債務整理すると勤務先に知られるの?

 カードローンやクレジットカードの申し込み際には、勤務先等の情報を提供して審査を受けるのが通常です。そのため、多くの方が債務整理を検討する際、勤務先に債務整理したことを知られてしまうのではないかと、心配することがあります。しかし、通常は債務整理したことを勤務先に通知されることはありませんので安心してください。
 債務整理の方法として任意整理がよく利用されますが、任意整理を行っても、通常は勤務先に知られることはありません。ただし、ごく稀な例外ケースとして、勤務先の会社の発行したクレジットカードが任意整理の対象となる場合など、勤務先に連絡を取る必要が出てくることがあります。このようなケースは非常に特殊であり、ほとんどの場合には問題にならないと言えます。
また、ローンやクレジットカードの申込み時に勤務先を申込書などに記載し、その後に勤務先が変わった場合でも、債務整理を行うに当たっては大きな影響はありません。基本的には変更後の勤務先をその都度、伝えないといけない契約になっていますが、伝えていない場合でも任意整理などの債務整理自体には問題はありません。
 任意整理を行う場合に、債権者(貸金業者や信販会社等)との和解交渉を行いますが、この際に債権者から現在の勤務先や電話番号等の情報を提供するように求められることが多いです。その場合は、会社名や電話番号等といった情報を知らせることになりますが、これは単に債権者が利用者の個人情報を更新するためのもので、勤務先に債務整理した旨が伝えられるわけではありません。
 一方で、勤務先に債務整理を行った事実が知られてしまう可能性がある場合としては、裁判所からの債権差押え命令(給与差押え)が届いたり、本人と連絡が取れないなどの事情があり、債権者からの連絡が勤務先に来るような場合です。しかし、これらは本人が、裁判所から判決等が出された後も返済しない、連絡もしない、債権者から本人への連絡を無視するなどといった場合に起こってしまうことになります。
 したがって、任意整理などの債務整理によって借金問題を適切に処理し、無理なく返済していけるよう返済を見直していけば、勤務先にばれるリスクは最小限に抑えることが可能です。債務整理を考えている方は、一人で不安を抱えず、弁護士や司法書士に相談し、適切な手続きを行うことで、安心して借金問題の解決に向かうことが出来ると思います。