債務整理とは?

債務整理とは、現在の借金やクレジットの整理をする手続きを意味します。この債務整理には、「任意整理」「自己破産」「個人再生」「過払い金請求」といった主な方法があります。それぞれの手続きについて詳しく見ていきましょう。

任意整理
「任意整理」は債務整理の方法の一つで、裁判所を介さずに弁護士や司法書士が消費者金融業者やクレジットカード会社などの債権者と直接に返済見直しの和解交渉を行います。これは、借金やクレジットリボ払い等の返済額の減額を目指すもので、さらに過払い金が発生する場合は、これを借金に充当してもらうことで借金クレジット問題を解決する方法です。任意整理の交渉においては、一般的には利息を付けずに3年~5年間にわたり分割払いを行うという内容での和解を目指します。しかし、個々の状況によっては5年以上の返済期間に延長することもあります。ただし、この交渉は任意のものであり、貸金業者やクレジットカード会社との合意に至らなければ任意整理の手続きは成立しません。
チェックポイント
任意整理の目的は、交渉により現状よりも月々の返済金額を軽減して、生活を再建することにあります。

過払い金請求
「過払い金請求」とは、利息制限法の上限(1520%)を超えて(いわゆるグレーゾーン金利)、消費者金融などの貸金業者へ過剰に支払った利息を返還してもらうための手続きです。
例えば、10年以上にわたり貸金業者やクレジットカード会社でのキャッシングについて、高金利(グレーゾーン金利)で返済を続けていた方の中には、過払い金が100万円以上も発生して、返還されたケースも存在します。
完済後に、過払い金請求を行う場合には、信用情報機関に情報が登録されることはなく、そのようなデメリットを被ることはありません。
ただし、借金の完済から10年以上経過した場合、時効により過払い金を返還してもらうことができなくなるため、過払い金発生の可能性がある場合は、早期の対応が求められます。

自己破産
「自己破産」は、裁判所を通じて返済が不能なことを証明し、現在抱える借金を免除してもらう手続きです。借金が全額免除されるということは、返済に回していた資金が生活費として利用できるようになるということを意味するので、新たな生活を再スタートするための手段として、他の債務整理(任意整理、個人再生)と比較して最も大きなメリットがあると言えます。

個人再生
「個人再生」は、裁判所を通じて借金の総額を大幅に削減した上で、原則として3年間で分割返済していく手続きです。
この手続きの最大のメリットは、住宅ローンは返済を継続して、自宅を保持したまま借金の整理が可能であることです。自宅を持っていない場合でも、自己破産を避けたいが任意整理によっても借金の返済額が大幅に減らず支払いが困難な場合、この手続きを検討することになります。

任意売却
住宅ローンの滞納が続くと、債権者(住宅ローンを組んだ金融機関)は不動産(自宅)を競売にかけ、相場より低い金額で強制的に売却されることになります。競売にかけられる前に、より高い金額で不動産(自宅)を売却し、引越し費用や生活再建のための資金を確保する方法として「任意売却」があります。
任意売却は、住宅ローンの滞納や返済困難に陥った場合に、借主と金融機関が合意の上で不動産を売却する手続きです。これにより、競売による損失を回避することができ、より経済的に有利な条件で自宅を手放すことが可能となります。

 これらの債務整理手続きは、借金やクレジットカードの問題に直面している人々にとって、返済が困難状況から脱出するための有効な方法です。
ただし、各手続きにはそれぞれメリット・デメリットや条件がありますので、自身の状況に最も適した方法を選ぶことが重要です。
また、これらの手続きを進めるには専門的な知識と経験が必要なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
専門家からの適切なアドバイスとサポートにより、借金問題を解決し、新たに生活再建するための道筋をつけることができます。